輸出手続きをワンストップでできる、国内初の卸売市場が誕生
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令和4年(2022年)1月12日、成田空港の隣接地(成田市天神峰)で20日に開設される「成田市公設地方卸売市場」の開場記念式典が、同市場の青果棟で開かれました。
新生の成田市場は、青果・水産物など農水産物の輸出手続きを、検疫や通関までワンストップで完了できる体制を、国内で初めて整えました。
国際空港のお隣という立地を活かし、日本の生鮮品輸出の中核拠点を目指します。
新市場は敷地面積が約9.3ヘクタールで、東京ドーム約2個分の広さ。青果棟、水産棟、高機能物流棟があり、衛生管理が徹底された閉鎖型施設で、商品を鮮度の高い状態で保持できます。
高機能物流棟内で、青果・水産棟から調達した農水産物をすぐに加工し、輸出するために必要な各種証明書の受取り、植物検疫、爆発物検査、通関手続きができ、これまで4〜6日かかっていた生鮮品の輸出手続きが3日程度に短縮されます。
市場業務は、青果の卸売業務を「シティ青果成田市場(株)」が行い、水産の卸売業務は「大都魚類(株)成田支社」が行います。仲卸業務は、青果6社、水産14社が営業します。
式典には政府や県、自治体、産地など業界関係者ら300人余りが出席して開かれ、テープカットや記念撮影をして開場を祝いました。
市場開設者の小泉一成成田市長は、
「旧市場が老朽化し、成田空港の地元、また日本有数の農業、水産業生産高を有する千葉県という立地を生かし、輸出拠点機能を持った将来を見据えた市場に生まれ変わらせるべく、空港隣接地への移設を決めました。日本食の美味しさを成田から世界に発信し、千葉県、日本の農水産業発展に貢献していきます。今後は空港利用者が気軽に立ち寄れる施設を早期に整備し、にぎわいを創出してまいります」と意気込みを述べられました。
続いて、来賓の下野六太農水政務官が祝辞で、
「世界の食の市場は年々拡大し、昨年、農林水産物、食料品の輸出が初めて1兆円を突破しました。新市場の機能は、時間と鮮度が重要な生鮮流通において大きなメリットです。新市場は政府が掲げる2025年に2兆円、2030年に5兆円の輸出目標額の達成に大いに寄与すると思います」と述べられました。
業界代表として、弊社代表取締役社長の鈴木敏行は、
「本年1月1日付で、成田市場青果は神明グループのシティ青果成田市場に社名を変更し業務を行うことになりました。千葉県は農産物の一大産地として、非常に魅力のある土地です。豊洲本社と連携して、国内外の販売強化を図りたいと考えています。世界一の豊洲市場の水産物集荷力との相乗効果も、もっと図れるのではないかと思います」と抱負を述べました。